明朝

全、きみに告ぐ

2023/12/17 1:11

首と耳の隙間に風が吹くように、寂しさが訪れた。ぱたり、むくり。なか卯のいくら丼が美味しそう。深夜、お腹空いたねと言いながらつないだ手を片方のポケットに詰め込んで、歩く人たち。ふたり。夜更けの泡がぷちぷちと弾けるように朝が訪れる。しずかに朝を待つ。あたま大盛りを待つ。喫茶に入り、店内の暖かさに油断する。あ、ええとミルクティーをアイスで、お砂糖ありでお願いします。はーい。大きな窓の外には暗がりが見え、しかし奥には花屋が光る。もらったデルフィニウムがドライになる日。ウィルキンソンの緑の瓶。トニックウォーターの買いだめとかしてみたいよね、とAmazonを開く。神戸居留地が出している缶。雨の音が聞こえる。あなたにも朝が来る。